昨年の6月にDiggで多くの投票を集めたエントリーです。
これからのウェブデザインで必要な要素についていくつか取り上げられています。ウェブデザインに従事している方には、とても役立つ内容かと思われましたので訳してみました。
原文:A List Apart: Articles: Human-to-Human Design
"Translated with the permission of A List Apart Magazine and the Authors: L: Sharon Lee”
人から人へのデザイン(コミュニケーションをデザインする)
ビジネスで生き残る為には、インターネットを通じてどれだけ有効にコミュニケーションを計れるかにかかっていると言われて久しいご時世である。
では何が新しいか?というと、古くなったウェブサイトを保有しているだけでは十分でないという認識を持つことである。サイトのクオリティとコンテンツの特質は最も重要であり、ユーザ達とコミュニケーションを計る才能もまた鍵となる。
良いウェブサイトとは2つの基本的な真理に基づいている――インターネットが対話式の媒体だという事と、その末端のユーザは人であるという事だ。言い換えれば、エクスピリエンス――経験が必要なのである。どんな冒険にもある様に、エクスピリエンスは楽しめる事だと保証するには巧みな戦略が少しだけ必要とされるのである。
尊重しよう
コンピューターの向こう側にいるのは"人"だという事を忘れない様に。ユーザ達は、あなたのビジネスが自分達(彼らユーザー)を理解しているかどうかを知りたいのである。
彼らが、どんな人で何に興味があるか――時間をかけてゆっくり見つけ出そう。そしてメッセージとデザインを彼らにピッタリ合うようにこしらえよう。 実社会で例えてみると、パーティーで見知らぬ人(よりよい知り合いになりたいと思う人)と会話を始める時に似ている。あなたは相手の話に熱心に耳を傾け、何に興味を持ってるか念入りにうまく会話を合わせるだろう。サタデーナイトにCSSやAjaxをくどくどと誉めたたえたりして相手を退屈させたくないでしょ。
人口統計学のデータを踏まえて、個々のユーザーを頭に思い浮かべてみよう。ウェブ上の記録には、広く応用出来るユーザー達の描写がたくさん含まれている。記録の中で、焦点を絞ってみよう
例えば記録の始まりが…
イントラネットユーザー:20−50歳 不動産仲介業
これは以下の様に、第一ユーザーと第二ユーザーに分ける事ができる。
イントラネット第一ユーザー:20−35歳(販売代理人)
イントラネット第二ユーザー:35−50歳(中間管理職及び最高幹部)
(※職業が不動産仲介業で20歳から35歳までの販売代理人と35歳から50歳までの中間管理職および最高幹部といった形を描くことができる)
この事柄より、仲介業者として仕事を始めの準備に取り掛かる30分前、コーヒーを片手にイントラネットにアクセスするあなた自身をイメージ出来るだろう。フラッシュアニメーションを見たい欲望が一瞬にして消えるのが分かるだろうか?
単刀直入かつ一目瞭然であることがどれだけ明瞭な指示であるか、分かるだろうか?
個々の需要に対応する必要性から仲介業者はすぐに自分たちの要求としているもの――(例えば営業情報ルート、その日の面会予定、連絡先など)を捉える事が出来るのではないだろうか?
あなたとユーザーとのギャップを埋めれば正確な決断を下す事ができ、ユーザーの求める(気にいる)デザインに合わせられるであろう。
伝えよう
あなたのサイトに、最も古く効果的なコミュニケーション知識の方法のひとつを装備しよう。
記事を伝えることは、意図(設計)においてユーザーを巻き込み、感情ある対話を引き起こし、ユーザーの学習能力(体験)を高めることができる 楽しく豊かで人(ユーザー)を惹きつける方法である。
問うとしたら・・・
ユーザーの巻き込み(ユーザー数獲得)を増加させるための必須の情報を提示できるもっとクリエイティブな方法はあるだろうか?
ニュースウェブサイトはその課題に向かってますます向上している。従来ならば、速報一つで1ページ書けていたはずだ。しかし現在では、記事を対話式のタイムライン、ウェブカムストリーミング、アニメーション、音声やビデオなどの多種多様な方法で提供されることによって高められているとも言える。これらのメディアは、ニュースを取り囲んでいる話題や問題の理解を、ユーザ-ーに広く深く与える事が出来るのである。
インターネットを介して記事を伝える最大の魅力とは、一次元ではないという事――(ユーザーは記事を始めから終わりまで読むというより、興味を持った情報の断片をクリックすればいいのである。) インタラクション (ユーザー同士の交流)を通じて記事を伝える事により、ユーザーの好みや必要に応じて彼ら自身でルートを選べるようにすることが可能だ。
惹き込もう
ブロードバンドが普及するに従い、段々とウェブデザイナー達は視覚的なデザインにインタラクションと動きを組み合わせ始めている。もはやデザイナーとしての役割は減り、エクスペリエンスディレクターの役割が大きくなっている。これらの役割の違いを説明する為にまず、デザインにおけるクリエイティブディレクションを見てみるとこんな感じである…
地元のエンターテインメントニュースを宣伝・促進する為に、私達はあなたのブランドに各州の都市風景を付け加えます。
これに対して、エクスペリエンスディレクションは概念化の段階でより多くの文書化が必要とされるであろう。エクスペリエンスディレクターは、内容をまとめ、対話式のアプローチとスタイルを作り上げ、ストーリーを駆り立てるクリエイティブな要素を編成しなければならない。将来のウェブデザイナー達は、場面構成を書く事や映像ディレクションのようなそれと融合させる事までも求められるであろう。
全ユーザーのエクスピリンスに耳を傾ける事により、デザイナー達はユーザーを熱中させ完全にサイトとメッセージに没頭するように仕向ける為の、中身の充実した感覚的なエクスピリエンスを創造できるのだ。サイトが教育を意図するものであれば、熱中させる事が学ぶスピードや総合的な理解を増大させるものとしてとりわけ重要なのである――特にサイトの主なユーザーが子供の場合には。
熱中させることで、ユーザーが楽しみ、満足を体験する、ユーザーにとっていいことばかりのことがあなたのブランドに乗り換えさせるかもしれない。
感激させよう
WEBデザインでブランディングがはじまり、締めくくると信じている人たちがいる。ロゴや色彩そしてタイポグラフィー等、広く認知されている要素の移り変わりと通して、ブランドのヴィジュアルアイデンティティーは、簡単にWEBにあてはめれるというのが彼らの見解である。
確かにあなたのウェブサイトを見るであろう多くの人々は、実社会においてあなたのブランドを知っているもしくは選んだ人々でる。即ち、彼らがあなたのバーチャルの世界を訪れた時こそつながりを強化する絶好のチャンスなのである。
しかしながら、さらにサイトにあなたのアイデンティティーを模造する以上の事ができるのだ。サイトにはインスピレーションであろうと、信頼や権威であろうとブランドパーソナリティー(ブランドの個性、特質)を詰め込むことができるのだ。これらの特徴は、そもそもなぜ彼らがあなたのブランドを選んだかという理由の一つだったのである。
"ウィスネイルと私"という映画の撮影中、監督が主役のリチャード・E・グラントに向かって"全力で行け、妥協するな"という意味で"フィルムを踏みつけろ"と言ったそうだが、これはオーディエンスを奮起させアクションを起こさせたい時にはとてもタイムリーなアドバイスである。丁寧でなくていい、彼らを魅了し惹き付けるのだ。そしてあなたのブランドを生き生きとさせよう!
魅了させよう
実際はさておき、美しいデザインはサイトの使い易さを印象づける。さらにデザインが使用されるのは、人間の心理がどうしようもなく美しい物に惹き込まれるものだからであろう。
相互交流のサイトは、見た目を美しくしようとしてしばしば悲惨なほど失敗をしている。その支配的な思想とは、サイトがソフトの有用性コンサルタントの領域であるというものであり、デザインは二の次でテーブルセルの色付けさえもたびたび制限されるユーザビリティコンサルタントの定義である。
しかし、非常に複雑なプロセスやページでも正しいスタイリングにするだけで驚くほどシンプルに見える。空間を取る事、それは次のインフォメーションを取り込む前にユーザーの目をひと休みさせる事ができ、ますます重要になっている。デザインは規律を作り出し、あなたがユーザーに利益追求の長々したフォームへの記入を求めている時に、徐々に安心感や落ち着きを沁みこませることができるのである。プロのデザインは、どんな取引関係が発生するサイトにとってもそれを成し遂げるたった一つの重要な特色であり、信頼のレベルも高めてくれるのだ。
もしあなたがプロのビジュアルデザイナーでないなら、ビジネス批評や取引関係が発生するサイトにおける高いレベルのデザイナーに意見を求める事により、信頼・誠実さ、そして促進の魅力を生み出す事ができるであろう。
"人からコンピューター"のインターフェースデザインにおける最良の法則とは、シンプル・頼りがい・明快さ・激励・満足感・理解のし易さ・用途の広さ、そして個性化である。これらに注意を払う事が不可欠と同時にユーザーに感情移入し感激させる事もまた重要であり、それによってユーザーはただの無名ユーザーとしてではなく"人"として扱われていると感じるのである。そうする事によりデザインで彼らが親近感を増し、あなたのブランドや会社、製品に対して積極的な姿勢を表すのである。
(以上訳文となります)
確か、このエントリーがリリースされた後にCNN.comがリデザインされリローンチされています。このhuman-to-human designのエントリーに書かれれていることを満たしたデザインかのようにも思えました。
時間のある方は、こちらのCNN.com To Launch Web 2.0 Re-design This Weekend - ReadWriteWebのエントリーも併せて読んでみるといいと思います。
コミュニケーションデザイン
今回のこのHuman-to-Human Designの訳文を記事としようと思ったのは、リリースされてすぐでした。正直、訳について自信がなかったのもあってかなり時間が経ってしまったのですが、ちょうど1ヵ月程前に「明日の広告」という新書を読んで、感化され訳文を記事にしようと決めました。
こちらの新書も大手広告代理店でさまざまな経験を積まれた著者がコミュニケーションデザインに関して論じています。面白い内容です。ぜひ一読をお薦めしておきます。
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